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children's sphere(R15)・5
少しライトに短編設定。R15です。
いつか必ずABCのB程度が出てきますのでお気をつけ下さい。
SSL設定。ちょっとオリジナル設定入っていると思います。
これもお気をつけ下さい。

自分がどうにも原田の恋人にしては子供っぽいと常々思ってしまっている千鶴。
そんな千鶴に足りないのは、未熟な容姿ではなく色気だと山南は言う。
彼によってとある媚薬を手に入れた千鶴は……?

 瓶を煽った千鶴は、驚く原田の前で細い喉を見せながらごくごくと中身を飲み干していく。あまりにも無謀すぎる仕草に、原田は慌てて千鶴の手から小瓶を奪い取る。

「おい、千鶴! 何やってんだ!」

 小瓶の中身は八割ほど千鶴の喉を滑り落ちていて、薬の作用がどういったものなのかさっぱり分からない原田にしてみれば、飲んでしまって大丈夫なものなのかどうか、ひどく不安になる。

「千鶴! おい!」

 原田の呼びかけに、千鶴は一度大きく息をついてから答えた。

「大丈夫……です」

 千鶴の返事を受け止めて、原田もまた安堵のために大きく息をつく。千鶴が大胆に決断するときには思い切った行動をとることは知っていたつもりだったが、いくら何でも急に薬を飲むとは思ってもいなかったのだ。

 原田は千鶴の濡れた唇の端を、指先でそっと拭う。とりあえず今こうして見ている限りでは、薬を飲んだことによっての変化は見られない。

「何処も何ともねぇのか?」

「……はい」

 千鶴は小さく頷いて、もう一度息を吐く。確かに身体に異常と思われるような変化はなかった。山南はこれを使えば千鶴の悩みは解消されると言っていたが、変化が感じられないのならば意味がない。

 山南は結局千鶴を追い出すために適当に薬を渡したのだろうか。だが『薬』である以上、あの完璧主義の山南が適当に渡すとは思えない。

「……原田先生」

 千鶴は思わず原田に呼びかけている。その両手は何かにすがりつくように原田の服の胸元を握りしめていた。

「……な、なんだ……?」

 千鶴の必死の呼び声に、原田は息をのむようにして答えている。今の千鶴には妙にからかったりしてはいけないものがあった。

 千鶴は原田をまっすぐに見つめたままで問いかけた。

「私……何か、変わりましたか?」

「……は……?」

「私、変わっているはずなんです。何処か変わりましたか?」

「いや何処も……」

 千鶴の詰め寄りながらの問いかけに、原田は思わず素直に答えを返している。千鶴の問いかけにはこちらが自然と怯んでしまいそうなほどの真剣さが含まれていて、原田としても嘘やごまかしを含んだものは決して口には出来なかった。だからこそ、千鶴の姿を見た通りに答えている。

 千鶴は自分の胸元を握りしめるようにしながら、表情を一気に暗くさせた。恐ろしいほどの勢いで落ち込んでいく。

「変わって、ない……そうですか……私、相変わらず子供のままなんですね……」

「……おい、ちょっと待て、千鶴。変わるとか変わらねぇとか、いったい何の話なんだ?」

「私……少しは大人っぽくなっているはずなんです。あの薬には、そういう効果があるはずなんです。私に足りないのは色気なんだって山南先生は言ってたんですから!」

「……はあ!?」

 千鶴の必死の様子には大変申し訳ないと思いつつも、原田はさらに戸惑いに素っ頓狂な声を上げてしまう。よりにもよって千鶴は山南になんという相談を持ちかけたのだ!?

 ……確かに千鶴は自分の子供っぽさをコンプレックスの一つにしていた。原田もそのことは充分に承知している。原田が贔屓目に見たとしても千鶴は幼い可愛らしさを持っている。

 だがそれは、あくまで成長途中の過程であり、ここ最近は原田に愛されている効果か、時折こちらがはっと驚くほどの艶めきを見せるようになっていた。あと数年もすれば誰もが振り返るような美女になるだろう。そこにはもう、千鶴がコンプレックスにするだけの幼さは感じられないはずだ。原田はそれを楽しみにしている。

 それなのに、突然どういうことなのか。

 原田は千鶴の肩をそっと掴んでいる。千鶴がずいぶん思い詰めていることは、仕草を見れば分かる。そんなコンプレックスを抱かないように大切に慈しんできたつもりなのだが。

「千鶴、急にどうしたんだ?」

「急にじゃないです。いつも思ってました。私に色気が足りないなって」

「確かにお前は人よりガキっぽいところもあるだろうが……けどそれが何だってんだ? 俺はお前が惚れた女で、お前は俺に惚れてくれてる女だろ? 他人がぐちゃぐちゃ言ってることなんかに振り回されてんな。そういうときは、俺のことだけ考えて俺がお前に言ってることだけ思い出せ」

 原田は千鶴の身体をそっと胸元に引き寄せる。千鶴は原田の胸に引き寄せられるまま頬を押しつける。とりあえず自分を拒む仕草を見せてこないことが、原田には安堵するものだった。……ここで拒まれてしまっては、千鶴が相当思い詰めているということになる。

(それでなくても千鶴は考え込むと底に落ちやすいってーのによ……!!)

「……千鶴……?」

 原田は千鶴を宥めるように、柔らかく甘い声で呼びかける。自分の声の威力というものを充分に知っている原田は、千鶴の耳元でさらに甘く低く囁きかけた。

「……お前は俺がこれと決めた女だ。まだ高校生なんだから、ガキっぽいことなんて気にすんな。俺にとっちゃ、お前は最高の女なんだぜ……?」

 かぷ、と耳朶を唇で甘く噛んで、原田は告げる。千鶴の唇からその仕草で甘い吐息が漏れる。原田によって少しずつ――けれども確実に『女』への階を昇っている証だった。

 原田は千鶴の髪を撫でる。原田の胸にもたれかかりながら、千鶴は心地よさそうに目を閉じた。

 もたれかかってくる重みが、いとおしい。ここが学園内でなければ、間違いなく千鶴を可愛がっていただろう。

「……原田先生……」

 千鶴が、原田の胸に押しつけていた額をゆっくりと上げた。潤んだ瞳が原田の言葉を嬉しく受け止めているのが分かる。だからこそ、こちらを見つめてくる瞳に、原田が思わずうっかりくちづけたくなるような甘みがあるのだろう。

 千鶴が原田を見上げ、つま先立ちになる。身を乗り出すようにして、原田の唇へと自分の唇を寄せる。……原田はその唇から、何かの香りを感じ取った。

(……なんだ……こりゃ……)

 何処かでかいだことのある、よく知った香りだ。だが千鶴の眼差しと緩く開いた唇の妙な色気によって、あまりうまく思考が働かない。千鶴は原田を見つめる瞳を、そっと細める。

 たったそれだけの仕草なのに、原田はひどく色気を感じて息を詰まらせる。そんな原田に向かって千鶴はそっと言った。

「原田先生……あの……私からしても、良いですか?」

 いったい何をだ!? と原田は千鶴に言い返したくなる。何か間違ったスイッチが千鶴の中で入ってしまっているのだろうことは分かる。だがそれを止めるべきなのかそのまま放っておくべきなのか、教師としての自分と男としての自分が一瞬せめぎ合った。……だが、その一瞬が、今の千鶴にとっては充分な隙になったようだ。

 あっと思ったときにはもう、原田の胸元に千鶴の柔らかな重みが加わっている。そして少女の唇が、原田のそれに押しつけられていた。

「……ん……っ」

 かすかに眉根を寄せるようにして、千鶴が原田に唇を押しつけている。少女からの愛撫を貰うことは彼女が気恥ずかしさを常に持っているが故に、滅多に原田に与えられるものではない。

 原田は一瞬大きく目を見開いたものの、すぐに千鶴の唇に身を委ねた。原田の身体の上から千鶴が滑り落ちないように、男の片腕は少女の背中に回り、腰の辺りを緩やかに――けれどもしっかりと抱きしめる。

「……ん……」

 千鶴の唇から、小さく甘い喘ぎが零れた。原田の唇に優しく押しつけられたその唇が、薄く開いて男の唇のかたちをなぞるように舌先でくすぐってくる。中に入りたげなその仕草は、しかしながら強引に押し入る術を知らず、困ったようにその場で留まってしまっていた。

 原田は小さく笑って、薄く唇を開く。千鶴が何処かほっとしたように舌先を潜り込ませてきた。

 控えめに、それでも原田への想いを伝えるかのように、千鶴の舌先が男のそれに触れてくる。実際に触れたらびくんっ、と震えて、そのまま身を強張らせてしまうことが可愛らしい。慣れていないことを原田に教えてくれて、何とも言えない愛らしさが男の欲望を煽ってくるのだ。

 原田の掌が、千鶴の背中を優しく撫でた。掌の仕草は千鶴のくちづけの先を促すものである。

 千鶴はその仕草に勇気を得たかのように、原田の舌に絡みついてくる。いつにない積極的な千鶴の仕草に、原田は唇の端に笑みを浮かべてされるがままになっていた。……たまにはこういうのも良い。

 ……良いのだが。

(いや待て。なんか違ぇだろ。されるよりはしてぇのが俺の性分なんじゃねぇの?)

 しかも男女のそうした行為については、自分が千鶴に教える側だ。今こうしてくちづけられていても、確かに心地良く千鶴の愛らしい舌が自分の口中で動くのを感じているのはなかなかに楽しいのだが――満足しているのか、となると原田は申し訳ないがノーと言わざるを得ない。

「……ん……」

 千鶴の唇が、さらに強く押しつけられる。しばらく原田は千鶴にさせるがままになっていたが、ついには我慢できずに千鶴の身体を片腕に閉じこめながら自分から舌先を絡めた。

「……んぅ……っ?」

 突然の原田の変化に、千鶴は驚いたように目を剥く。だがすぐに舌先を絡め取られ、原田の口中に引き寄せられた上、舌先を甘く噛まれて、きつく閉じられた。

「ん……は……っ」

 舌先を擦り合わせるようにしながら舌を繋いで、唇がそっと離れる。こもっていた息を吐き出して、千鶴は濡れた瞳で原田を見返した。

 だがすぐに原田は千鶴の唇を、再び飲み込むようにして味わっている。千鶴もつたない仕草原田に応えてくれていた。

「……ん……ん……っ」

 原田の指先が、千鶴の背筋をゆっくりと撫で下ろす。ぞくぞく、と寒気のような快感が走って、千鶴は震えながら原田に身体を押しつける。……原田によって徐々に女としての感覚を目覚めさせられている千鶴には、今の愛撫はただもどかしいだけだ。もっと先を知っている側としては、その先を望むのは当然である。

「……は、らだ……せんせ……」

 千鶴が、息も絶え絶えと言わんばかりに、原田の名を呼んでくる。だが掠れた声は、その先を望むものだ。原田は唇の端に笑みを浮かべると、千鶴の潤んだ瞳をまっすぐに見つめ返しながら、千鶴の胸元の赤いリボンに手を伸ばす。

 きっちりと結ばれているリボンの端を指で摘み、軽く引っ張って見せれば、驚くほど頼りなくそれはほ解けた。

「……千鶴」

 ブレザーのボタンも外していくと、千鶴は睫を震わせながらそっと目を伏せる。原田にこれ以上触れられるのを嫌がるものではなく、むしろもっと触って欲しいと願うねだった仕草だ。

「……ここ、何処か分かってんか……?」

 原田のもう片方の手は、千鶴のスカートの下にある二つの丸みを撫で下ろしている。布地の下から大腿に触れられて、千鶴の身体が小さく震え――唇から、熱っぽい吐息が漏れた。

 原田の身体に身をすり寄せるようにして、千鶴は頷く。

「……学校、です……」

「……そうだ。なのに、良いのか?」

 駄目だとは、言われなくても分かっている。学校は勉学をするところであって、決してこんな男女の淫らな行為に没頭する場所ではない。優等生として評判高い千鶴が、教師である原田とこんな行為にふけっていたと知られたら、とんでもない騒動になるだろう。それを防ぐためにも、この辺りで退いた方が良い。

 分かっている。けれど。

「……でも……原田先生と、したい、んです。駄目……ですか……?」

「……ったく……!!」

 原田の唇が、低く毒づいた舌打ちを紡いだ。それに千鶴が何かを返す前に、原田は再び少女の唇を貪っている。千鶴はその荒々しささえ何処か嬉しげに受け止めて、原田にされるがままになりながらさらに身体を押しつけた。

「……原田……せんせ……」

「……馬鹿……こういうときは、名前で呼べって言っただろ……?」

「……ん……」

 原田の舌に千鶴も自分の小さなそれを絡めながら頷いて、唇を触れ合わせたままで囁く。

「……左之助、さん……」

「……それで良いんだよ」

 原田が満足げに呟く。それが千鶴には嬉しい。だから、恥ずかしげに頬を染めながらも、恋人の名を呼び続けた。

「左之助さん……」

「千鶴」

 応える原田の声も甘い。……その甘さのままで。



「……お前……酒飲んだな?」


HP初出 2010.07.26
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