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children's sphere(R15)・6
少しライトに短編設定。R15です。
いつか必ずABCのB程度が出てきますのでお気をつけ下さい。
SSL設定。ちょっとオリジナル設定入っていると思います。
これもお気をつけ下さい。

自分がどうにも原田の恋人にしては子供っぽいと常々思ってしまっている千鶴。
そんな千鶴に足りないのは、未熟な容姿ではなく色気だと山南は言う。
彼によってとある媚薬を手に入れた千鶴は……?

「……は……え……?」

 突然色気のないことを言われて、千鶴は瞳を瞬かせる。てっきりこのまま情事になだれ込むと思っていた千鶴は、予想とはまったく相反する原田の台詞に何とも言えない間抜けな気持ちで動きを止めてしまった。

 原田は千鶴の腰に腕を絡めて力を入れると、おもむろに上体を起こす。千鶴は原田の動きに合わせて身を起こすことになった。原田と床の上に座った格好で、向かい合う。

 原田は千鶴の唇に頬を寄せると、小さく鼻を鳴らした。……千鶴の唇から漂う香りに唇を歪める。知らない香りではなかった。ただ、千鶴の積極的な仕草にのまれてしまって、気付くのが遅くなっただけだった。

 この匂いは、アルコールのそれだ。そう、酒の匂いだ。永倉とともに酒を飲むのが好きな原田が感じ取った匂いに、間違いはない。山南が千鶴に渡した薬は、媚薬などではなく、酒、だったのだ。

 色合いからして、ワインだろう。アルコール度の高いものを、山南は千鶴に媚薬と称して渡したのだ。

「お……さけ……?」

 千鶴は原田の言葉をぼんやりと繰り返した。どうやら千鶴は酒に弱い体質なのだろう。あんな小瓶程度の量で、酔っぱらってしまうとは。これは絶対に妙な間違いが起きないよう、下手にアルコールを採らせない方が良いだろう。

 そんなことを思いながら、原田は千鶴の頬を撫でる。頬は赤く、熱を帯びていた。瞳が潤んでいて、まさに原田を誘っているようでもある。……まあ、この表情を見たら、誰もが誘っていると感じるだろう。

 媚薬を飲んだと言われても、おかしくはないかもしれない。だが唇から漏れる吐息に混じる香りは、酒のものだ。

 原田はようやく千鶴のこの奇妙な態度の理由が理解できて、大きくため息をついた。そのため息が苦笑めいたものになったのは、何はともあれ妙な薬を飲んだわけではないことが分かったからだ。……山南の薬の腕を信用していないわけではないが、妙な薬でないことの保証はない。

「……まあ、座れや、千鶴」

 千鶴は原田の断定にひどく不満げではあったが、とりあえず原田の言葉に逆らうつもりはないようだ。こくんと頷いて、原田の方に身を寄せる。……原田は自分の椅子に座り、千鶴はてっきり自分の向かい側にある椅子に座ると思っていた。

 だが千鶴は、椅子に座った原田の膝の上に、ちまっと横向きに座ったのである。

「……お、おい、千鶴……?」

「はい、座りました」

 原田は大きく息をついて、掌で額を押さえる。間違いなくこれは酔っぱらっている証拠だ。原田に甘えてくるような仕草を見せることは、千鶴の恥ずかしがり屋なところが邪魔をして、こちらが罠を仕掛けたりねだったりしなければなかなかないことだった。

 しかも千鶴は原田と触れ合うことが嬉しいのか、猫のように恋人の胸元に身をすり寄せてくる。これがアルコールが抜けている状態でならば原田としても非常に嬉しいのだが……いかんせん、今の酔っぱらっている状態では少々心に引っかかりを覚えてしまう。

 千鶴は原田を見上げた。

「座りました、原田先生。お話し、して下さい」

「あー……そうだな。まあ、良いか……」

 自分の心内の色々とぐだぐだした考えを今千鶴に言ったところで、どうしようもない。たったあれだけの酒で、これだけ酔っぱらってしまうのだ。きっと今原田が本心を口にしたところで、覚えていることもないだろう。

「あのな、千鶴。お前は酒を飲んで酔っぱらっちまってるんだ。だから、気も大きくなってるし、俺にこんなふうに色々してくるんだよ」

「……私、酔っぱらってなんていません。さっき飲んだのはお酒じゃなくて、山南先生が用意してくれた媚薬なんです」

 原田はますます深くため息をつく。千鶴の口調が強気のものになっているのは、酒を飲んで気が大きくなっているだけではなく――絶対にこのチャンスを逃さないのだという決意が込められているからだろう。つまりそれは、普段千鶴が胸のことを――いや、胸だけではなく自分の子供っぽさをコンプレックスに感じている、ということだ。原田にしてみればそんなことはまったくもって気にすることはないのだが。

「媚薬を飲んだので、大人の色気というものが出たと思います。だから原田先生は、私のことを子供扱いもしないし、めろめろになるんです」

「……めろめろ、ねぇ……」

 千鶴の口から滅多に出ることのない言葉たちは、原田にとっては最高の誘惑だ。本当に、こんな状態でなければ実においしく頂いていただろう。だが、この少女が酒の勢いに乗って誘惑してきてもつまらないのだ。

(本心から、俺を求めろよ)

 千鶴が本来の性格の中に持ち続けている潔癖すぎるほどの恥じらいを、こんなふうに何かの力を借りるのではなく自分自身で脱ぎ捨てて、そして自分を求めて欲しい。そう思うのは、男の我が儘だろうか?

「私、原田先生をめろめろにしたいんです」

「……まあ、俺はお前の声だけで、めろめろだけどな」

「……声?」

 原田の言葉に、千鶴が瞳を瞬かせる。言っている意味がよく分かっていないようだ。……こういうところが、まだまだ幼いと言わせる部分なのだろうが。

 原田は少々考え込んだあと、動く。少しばかり千鶴に仕置きをしたい気持ちが出てきたからだ。

(……お前はほんとに、自分の魅力ってのを分かってねぇな……)

 むしろ、自分の方が千鶴を誰かに奪われるかもしれない可能性に怯えのような、怒りのような感情を常に持っているというのに――それなのに、こちらの気持ちも知らずに勝手に自分に魅力がないなどと落ち込むのは大変けしからん。これ以上魅力的になられて、余計な虫が近づいてきたらどうなるのか。

 ……考えただけでたまらなく不機嫌な気持ちになる。

「分かった、千鶴。少し、じっとしてな」

「……は、い……?」

 何をされるのかが分からなくて、千鶴は原田の膝の上で言われるままにじっとする。少女の聞き分けの良さに原田は喉の奥で低く笑うと、千鶴の身体に回していた片手をそっと彼女の制服のプリーツスカートの膝頭に触れさせた。……そのまま原田の手は膝を割って奥へと進んでいく。

 千鶴は原田の掌の動きを、じっと見下ろしている。きめ細かい張りのある内腿の肌をそっと指先で辿って、奥へと進んでいく。秘められた場所に触れると、千鶴の唇がきゅ……っと噛みしめられた。

「……ん……っ」

 原田の慣れた指は、千鶴の濡れた奥をそっと押し揉んでくる。下着の薄い布地越しの愛撫は、きっと千鶴にとってはもどかしいものなのだろう。少女の様相をしていても、千鶴の身体は原田の手によって女のそれに目覚め始めている。ゆっくりと、その階段を昇り始めているのだ。

 原田は千鶴の唇に、己のそれを重ねて喘ぎを飲み込んだ。そのまま指先は薄い布地越しに快楽を引き出すように緩やかに蠢いている。しっとりと濡れた感触が原田の指に伝わってきて、男の唇に笑みが浮かんだ。

 口中に舌先を潜り込ませてゆったりとかき混ぜると、千鶴の舌先がまるで何かを求めるように絡んできた。自分からそんなふうにしてくることは、滅多にない。原田はそれを楽しむように千鶴の舌を味わう。

 指先が、中にそっと押し入るかのように軽く突いてきた。薄い布地によって阻まれて、千鶴の深い部分には入っていかない。千鶴は喘ぎを原田の口に与えて、身を震わせる。こんなふうにじらされるのは、たまらない。

 そのまま、原田の指は数度、布地の上から千鶴の入口を軽く突く。千鶴の腰が揺らめき、もっと中に――奥に入ってきて欲しいとせがむように身体が揺れた。

「原田……せんせ……」

 息苦しげな呼吸を繰り返しながら、千鶴が原田を呼んだ。ねだるそれに、原田は小さく笑ってくちづけをさらに深くする。舌を絡めて唾液を味わうくちづけは、確かに千鶴の意識をとろけさせるものだ。けれど、求めているものではない。

 もっと、深く熱い感覚を、穿って欲しい。千鶴は原田の指に、自ら身体をこすりつけている。

「……んだよ……ずいぶん淫乱になっちまったな……」

 原田が唇を触れ合わせたままで、からかうように囁いた。ひどく恥ずかしい言葉を口にされて、千鶴はそれでも身を震わせる。今は、恥ずかしいという気持ちにもならない。とにかく、身体の中に溜まっていく一方のこの熱を、早く解放してほしかった。

「……原田……せんせの……せい、です……」

 千鶴が潤んだ瞳で原田を見返す。熱く吐いた息は、原田のくちづけによって飲み込まれた。

 原田は千鶴に息も止まりそうなほどの深いくちづけを押しつけるようにすると、少女と同じほどに熱い息を吐いて低く笑った。その少し意地悪な艶のある笑い声にも、ぞくぞくと身体が震えて感じてしまう。

 だが原田は火照らせた身体を持て余す千鶴を見上げたままで、唇を離しつつ言った。

「そりゃ確かにそうだな」

「……だったら……」

「けど、ここまでな」

 千鶴の瞳が、軽く見開かれた。まさか本当にここで、このまま、終わってしまうのだろうか。

 千鶴の言葉にしない問いかけに、原田は意地の悪い笑みを浮かべて頷いた。



「さあ、帰るぜ。送ってく」


HP初出 2010.07.29
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